ムツ科(Scombropidae)−ムツ

ムツ(剥製)
ムツ(剥製)

和名:ムツ
英明:Gnomefish
学名Scombrops boops (Houttuyn, 1782)
撮影:S.Goto
分布:インド太平洋とアフリカ南部沿岸の大西洋に分布し、日本でも北海道以南で見られる。
特徴:幼魚は沿岸の浅所にいて、成魚になると水深200〜700mの岩礁帯に生息する。海山や大陸棚斜面などの傾斜地に多い。
漁獲された際は同属のクロムツ S. gilberti としばしば混同される。
成魚は全長60cmほどだが、1mを超えることもある。体型は紡錘形で、目と口が大きく発達する。吻は前方に尖り、下顎が上顎より前に出て、顎には鋭い犬歯状の歯が並ぶ。幼魚の体色は赤褐色-黄褐色だが、成魚は全体的に紫黒色となり、腹側が銀灰色を帯びる。また、幼魚の口の中は白いが、成魚の口の中は黒い。
産卵期は生息域の水温が上昇する10-3月で、この頃には成魚が水深100m付近の浅場まで移動する。分離浮性卵を産卵し、孵化した仔魚は流れ藻につく。稚魚は海岸部の岩礁や内湾の藻場で見られ、タイドプールに入ることもあるが、成長につれ深場に移る。生後3年・全長40cmほどで性成熟する。
肉食性で、小魚・頭足類・甲殻類など小動物を幅広く捕食する。


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